シンガポールの ALLBLUE GAMES PTE. LTD. が 2025 年 10 月に公開した、AI エージェント型の動画制作プラットフォーム。作りたい映像のイメージを伝えると、台本づくり、シーンごとのカット生成、音声やBGMの付与、そして編集までを一つの画面の中で進められる。特徴は、動画生成モデルを自前で 1 本用意するのではなく、Sora 2・Veo・Kling・Seedance・Vidu といった複数の外部モデルを束ねて使い分けられる点にある。用途や予算に応じて「このカットは高品質モデル、ここは軽いモデル」と選び分けられるため、1 本の映像を仕上げるまでに複数のサービスを行き来する必要がない。無料のクレジット枠が用意されており、商用利用も認められている。iOS アプリも提供されている。
主な特徴
- 台本からシーン生成・編集まで一気通貫: 企画のメモや一行のアイデアから台本を組み立て、シーンごとに映像を生成し、つなげて仕上げるまでを同じワークスペースで完結できる。工程ごとに別のツールへ素材を書き出す手間が省ける
- 複数の動画生成モデルを統合: Sora 2、Veo、Kling、Seedance、Vidu など、外部の主要な動画生成モデルをプラットフォーム上から呼び出せる。モデルごとに得意な絵柄・尺・カメラの動きが違うため、カット単位で最適なものを選べる
- テキストからも画像からも動画を作れる: 文章だけで生成する text-to-video に加え、手持ちの画像を起点にする image-to-video に対応。ラフ画やキービジュアルを出発点にした作り方ができる
- キャラクターの一貫性とカメラワーク制御: 同じ登場人物を複数のカットにまたがって描き分けずに済むよう、キャラクターの見た目を保つ仕組みを備える。カメラの寄り引きや動きの指定にも対応し、映像としてのつながりを作りやすい
- 音声・音楽の生成を内蔵: ナレーションやBGMも同じプラットフォーム内で生成できる。生成ごとに数クレジットという少額の消費で済むため、仮のナレーションを当てて尺を確認するといった使い方もしやすい
- 透かしなし書き出しと商用利用: 有料プランでは透かしのない書き出しと商用利用が認められている。画像・動画の高解像度化機能も用意されている
料金
クレジット制で、選んだモデル・解像度・尺・設定に応じてクレジットが消費される。プランは Starter / Basic / Plus / Pro の 4 段階で、月払いと年払いが選べる(年払いは割引と追加クレジットの特典がある)。プランによって変わるのは主に、同時に走らせられる生成の本数(並列数)と、アカウントに紐づけられる利用者数、そして一部の生成スタイルの利用可否である。
| プラン | 主な違い |
|---|---|
| 無料 | 登録時にクレジットが付与され、毎週クレジットが補充される。まず試すための枠 |
| Starter | 並列生成数・利用者数ともに最小。個人で試しながら使う段階向け |
| Basic | 並列生成数と利用者数が拡大。継続的に本数を作る個人向け |
| Plus | さらに並列数・利用者数が増え、リアル寄りのスタイル生成が利用可能になる |
| Pro | 最大の並列数と利用者数。チームでの制作向け |
具体的な金額とクレジット数はキャンペーンやプラン改定で変動するため、この記事では数値を記載しない。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトの料金ページをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 台本・生成・音声・編集が一箇所にまとまっており、工程ごとにツールを乗り換える必要がない
- 複数の動画生成モデルを一つの契約で使い分けられるため、モデルごとに別々のサブスクリプションを抱えずに済む
- キャラクターの一貫性やカメラワークの制御があり、単発のクリップではなく「つながった映像」を作りやすい
- 無料のクレジット枠があり、課金前に生成品質を自分の題材で確かめられる
- ナレーション・BGMまで内蔵されているため、簡単な作品なら外部素材を用意せずに完成させられる
⚠️ デメリット
- クレジット制のため、高品質モデルや長尺のカットを多用するとコストが読みにくい
- 統合されている外部モデルの顔ぶれは提供側の都合で入れ替わりうる。特定のモデル目当てで契約すると、その前提が変わる可能性がある
- 2025年10月公開と歴史が浅く、細かな仕様や料金体系は変動しやすい
- 生成AI全般に共通する話として、意図どおりの絵が一発で出るとは限らず、リテイクのぶんクレジットを消費する
- 日本語の解説資料はまだ多くなく、使い方の情報は公式ドキュメントとコミュニティ(Discord)が中心になる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Flova.ai | LTX Studio | Higgsfield | Runway |
|---|---|---|---|---|
| 位置づけ | 台本〜編集まで統合したエージェント型 | 企画・絵コンテ重視のストーリー制作 | 複数モデルを束ねた生成ハブ | 編集・映像加工まで含む制作スイート |
| 動画モデル | 外部の複数モデルを統合 | 自社ワークフロー+外部モデル | 外部の複数モデルを統合 | 自社モデル中心 |
| 音声・BGM | 内蔵 | 内蔵 | 一部対応 | 一部対応 |
| キャラクター一貫性 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 課金方式 | クレジット制(無料枠あり) | クレジット制(無料枠あり) | クレジット制(無料枠あり) | クレジット制(無料枠あり) |
いずれもクレジット制という点は共通しており、選ぶ基準は「どの工程まで面倒を見てほしいか」に近い。カット単位の生成だけが欲しいならモデル特化のサービスで足り、企画から書き出しまで一つの場所で回したいなら Flova.ai のような統合型が向く。
こんな人におすすめ
- ショート動画やプロモーション映像を、企画から書き出しまで一人で回したい個人クリエイター
- 複数の動画生成モデルを試したいが、サービスごとに契約を増やしたくない人
- 登場人物が複数カットにまたがる、物語性のある短編を作りたい人
- 絵コンテやラフ画を起点に、動く映像のイメージを素早く確かめたい映像・広告の制作者
- ナレーションやBGMも含めて、外部素材を集めずに一本仕上げたい人
まとめ
Flova.ai は、動画生成モデルを自前で持つのではなく「複数のモデルをまとめて使える制作環境」として設計されたプラットフォームである。台本づくりからシーン生成、音声、編集までが一つながりになっているため、生成AIで映像を作るときに起こりがちな「ツールをまたぐたびに素材と設定が散らばる」問題を避けやすい。一方でクレジット制ゆえのコストの読みにくさと、公開から日が浅いことによる仕様の流動性は前提に置いておきたい。まずは無料クレジットの範囲で、自分が作りたい題材のカットを 1 本生成し、モデルの選択肢と品質を確かめるところから始めるとよい。