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FinceptTerminal ─ AIエージェントと100種類超のデータ接続を備えた、オープンソースの金融リサーチ端末

インドのFincept Corporationが開発する、ポートフォリオマネージャー・ヘッジファンドアナリスト・独立系トレーダー向けの金融ターミナル。Mac/Windows/Linuxで動くデスクトップアプリで、リアルタイムの市場データ、テクニカル指標、DCFやポートフォリオ最適化といった分析機能を1つの画面にまとめている。特徴的なのは、ウォーレン・バフェットやベンジャミン・グラハム、ピーター・リンチといった著名投資家の投資哲学を模したAIエージェント群を搭載している点。本体はAGPL-3.0のオープンソースとして公開され、商用向けには別途ライセンスが用意されるデュアルライセンス方式を採る。2024年9月に最初のリリースが公開されて以降、機能追加が続いている。

主な特徴

  • 投資哲学を模したAIエージェント: バフェット・グラハム・リンチらの考え方を再現したエージェントに加え、トレーダー・エコノミスト・地政学アナリストなど多数の役割が用意されている。チャットの返答ではなく、出典付きのリサーチノートを組み立てる「エージェント型リサーチ」を志向している
  • 好きなLLMを自分で選べる: OpenAI、Anthropic、Gemini、Groq、DeepSeek、OpenRouter、ローカル実行のOllamaに対応。APIキーは利用者が自分で用意する方式のため、手元のマシンだけで完結させる運用も選べる
  • 100種類を超えるデータコネクタ: FRED、IMF、世界銀行、DBnomics、Yahoo Finance、Polygon、Krakenなど、公的統計から市場データ・暗号資産まで幅広い接続先を標準で備える
  • 本格的な分析・検証機能: DCFによる企業価値評価、ポートフォリオ最適化、VaRやシャープレシオの算出、デリバティブのプライシングに対応。バックテストやファクター探索を行うQuant Labも搭載する
  • ペーパートレードとブローカー連携: 実弾を使わない模擬売買で戦略を試したうえで、上位プランでは証券会社アカウントを接続して実際の発注やアルゴリズム運用まで行える
  • オープンソースかつ軽量: C++20とQt6で書かれた単一バイナリのネイティブアプリで、Electronに依存しない。ソースはGitHubで公開されており、自分でビルドすることもできる

料金

プラン月額料金主な内容
Open Source Edition無料デスクトップ/ブラウザで利用可。公開されている市場データソース、標準の利用上限
Exclusive$99AIクレジット400、ポートフォリオ1・ウォッチリスト3・ペーパー口座1、価格履歴1年。市場データ、チャート、ニュース、バックテスト
Exclusive+$199AIクレジット2,000、ポートフォリオ10・ウォッチリスト25・ペーパー口座5、価格履歴5年、ブローカー連携1件、AIリサーチとエージェントチーム、デリバティブ
Exclusive Pro$299AIクレジット5,000、ポートフォリオ・ウォッチリスト・価格履歴が無制限、ブローカー連携無制限、実発注とアルゴリズムの本番運用

有料プランは月額課金で年間契約の縛りはなく、四半期払いを選ぶと15%割引になる。AIクレジットは足りなくなった場合に追加パック($29〜$149)で買い足せる。個人利用・学術利用であればオープンソース版が無償で使える一方、商用での配布・展開には別途Enterpriseライセンスが必要になる点は事前に確認しておきたい。

料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • オープンソース版が無料で、金融ターミナルの中核機能を費用をかけずに試せる
  • LLMのAPIキーを自分で持ち込む方式のため、モデルの選択とコストを自分でコントロールできる。Ollamaを使えば手元のマシンだけで完結させられる
  • 公的統計から暗号資産まで100種類を超えるデータ接続先が最初から用意されており、データ収集の下ごしらえを大幅に減らせる
  • DCF・ポートフォリオ最適化・バックテストといった分析が1つのアプリにまとまっており、ツールを行き来する手間が少ない
  • ネイティブアプリとして作られているため動作が軽く、Mac/Windows/Linuxのいずれでも使える

⚠️ デメリット

  • 有料プランは月額$99からと個人利用には高めで、無料版との機能差も大きい
  • 想定利用者がプロのアナリストやトレーダーであり、金融の専門用語や指標の前提知識がないと使いこなしづらい
  • AI機能を使うにはLLMのAPIキーが別途必要で、その利用料は自己負担になる
  • AGPL-3.0のため、商用でそのまま組み込む・配布する場合はライセンスの検討が必要
  • 開発が活発な分、バージョン間で挙動が変わる可能性があり、本番運用では検証を挟みたい

類似サービスとの比較

比較項目FinceptTerminalOpenBBTradingViewBloomberg Terminal
提供形態デスクトップアプリ(OSS + 有料版)OSS + クラウド版Webサービス専用端末・ソフトウェア
無料で使えるかオープンソース版ありオープンソース版あり無料プランありなし
AIエージェント投資哲学を模した多数のエージェントAI機能あり(プラン依存)一部AI機能独自のAI・分析機能
LLMの持ち込み対応(OpenAI/Anthropic/Ollama等)対応非対応非対応
主な強み分析からエージェント運用までを1本化Pythonからの分析・拡張性チャートとコミュニティデータの網羅性と業界標準

こんな人におすすめ

  • 高額な金融端末に手が届かないが、プロ向けに近い分析環境を整えたい独立系トレーダー
  • 複数のデータソースを横断してリサーチしており、収集や整形の手間を減らしたいアナリスト
  • 生成AIを投資リサーチに組み込みたいが、使うモデルやデータの置き場所は自分で決めたい人
  • ローカル環境で完結させたい、あるいはコードを読んで挙動を確かめたいエンジニア寄りの投資家
  • バックテストやポートフォリオ最適化を、スプレッドシートから専用ツールへ移したい人

まとめ

FinceptTerminalは、オープンソースの金融ターミナルにAIエージェントと100種類超のデータ接続を組み合わせた、リサーチ寄りのツールである。無料のオープンソース版で中核機能を試せるため、まずは手元のマシンに入れて自分の使うデータソースが揃っているかを確かめるのがよい。エージェントチームやブローカー連携、実発注といった機能は有料プランの領域になるため、必要な機能と月額$99からという価格を見比べて判断したい。AI機能を使う際にはLLMのAPIキーが別途必要になる点も、あわせて見込んでおきたい。

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