Fellouは、AIエージェントがユーザーに代わってブラウザを操作する「Agentic Browser(エージェント型ブラウザ)」である。従来のブラウザが「人が操作する道具」だったのに対し、Fellouは自然言語で目的を伝えると、エージェント自身がページを開き、検索し、クリックし、必要なデータを集めてレポートにまとめるところまで実行する。複数サイトを横断して調べるDeep Search、定型作業を再利用できるWorkflow、実行を時間指定で走らせるスケジュール機能などを備え、作業の進行状況は画面上で可視化されるため、途中で止めて指示を出し直すこともできる。開発元は米国のFellou。2025年5月に公開され、現在はChromiumベースのデスクトップアプリとしてmacOS(Intel / Apple Silicon)向けに配布されている。
主な特徴
- 自然言語の指示でブラウザ操作を代行: 「この製品の競合を調べて比較表にして」のように目的を書くだけで、エージェントがページ遷移・入力・クリックを自分で行い、結果をまとめる。人が同じ操作を繰り返す必要がない
- Deep Searchによる複数サイト横断調査: 単一の検索結果を要約するのではなく、複数のサイトを順に開いて情報を集め、出典付きのレポートとして出力する。ログイン後のページも対象にできるため、通常の検索エンジンでは届かない範囲まで調べられる
- 実行計画の可視化と途中介入: 実行前に「どういう手順で進めるか」の計画が提示され、ユーザーが確認・修正できる。実行中も各ステップが画面に表示され、想定と違う動きをしたらその場で止められる
- Workflowとスケジュール実行: 一度うまくいった手順は再利用できる形で保存でき、指定した時刻に自動実行させることも可能。定期的な情報収集やモニタリングに向く
- デスクトップ・ファイル操作(Computer Use): Web上の操作にとどまらず、ローカルのアプリケーションやファイルを扱う機能も備える。収集した情報をそのままファイルに書き出すといった流れが一本でつながる
- Chromium系ブラウザとしての互換性: Chromiumをベースにしており、普段使っているブラウザに近い操作感で使える。開発者向けにはエージェント構築用のフレームワーク「Eko」のドキュメントも公開されている
料金
無料プランに加え、利用量(Sparks と呼ばれるクレジット)に応じた3段階の有料プランが用意されている。年払いは月払いより約20%安くなる。
| プラン | 月額料金 | 年額料金 | 利用量の目安 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | ─ | 初回ボーナス 1,000 Sparks、スケジュールタスク 2件 |
| Plus | $19.00 | $192(月あたり約$16) | 月 2,000 Sparks、スケジュールタスク 3件 |
| Pro | $39.90 | $384(月あたり約$32) | 月 5,000 Sparks、スケジュールタスク 5件 |
| Ultra | $199.90 | $1,920(月あたり約$160) | Sparks 無制限(期間限定)、スケジュールタスク 無制限 |
Sparksの消費量は作業内容の複雑さで大きく変わるため、上記のタスク数はあくまで目安である。チャット、Deep Search、ブラウザ操作、デスクトップ操作といった主要機能は無料プランでも一通り試せる。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 検索・閲覧・収集・整理という一連の手作業をまとめて任せられ、調査系の作業時間を大きく圧縮できる
- ログイン後のページも操作対象にできるため、一般的な検索AIでは取得できない情報まで扱える
- 実行計画と進行状況が可視化されるので、AIが何をしているか分からないまま結果だけ出てくる不安が少ない
- 無料プランで主要機能を試せるうえ、うまくいった手順はWorkflowとして再利用できる
- Chromiumベースで、既存のブラウザからの乗り換え負担が小さい
⚠️ デメリット
- 現時点の公式配布はmacOS向けで、Windowsを常用している場合は導入できない
- クレジット(Sparks)制のため、複雑なタスクを繰り返すと想定より早く上限に達することがある
- エージェントが自分でログイン状態のページを操作する仕組み上、業務アカウントを扱う際は権限や情報の取り扱いに注意が必要
- 対象サイトの構造変更やログイン要求により、同じ指示でも実行が途中で失敗することがある
- 比較的新しいプロダクトのため、機能・料金体系の変更が今後も起こりうる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Fellou | Comet(Perplexity) | ChatGPT Atlas | Dia(The Browser Company) |
|---|---|---|---|---|
| 位置づけ | エージェントが操作を代行するブラウザ | 検索AIを中核に据えたブラウザ | ChatGPTを組み込んだブラウザ | AIを常時併走させるブラウザ |
| 得意なこと | 複数サイト横断の調査と定型作業の自動実行 | 出典付きの検索・要約 | 会話からそのままWeb操作へ | 開いているタブを前提にした対話・下書き |
| 実行の可視化 | 計画の提示と途中介入が可能 | 限定的 | エージェント動作の確認が可能 | 主に対話ベース |
| 定期実行 | スケジュール実行に対応 | ─ | ─ | ─ |
| 無料で試せるか | 可(クレジット制) | 可 | 可 | 可 |
エージェント型ブラウザは各社が急速に機能を追加している領域のため、比較は2026年8月時点の大まかな性格の違いとして捉えてほしい。
こんな人におすすめ
- 競合調査・市場調査・情報収集など、「同じ操作を何十回も繰り返す」作業を日常的に抱えている人
- 検索結果の要約だけでなく、実際にサイトを開いてデータを集めるところまで任せたい人
- 決まった時刻に情報を収集してレポート化する、という定期業務を自動化したい人
- AIに操作を任せつつ、何をしているかを確認しながら進めたい慎重派の人
- macOSを常用していて、新しいブラウザの導入に抵抗がない人
まとめ
Fellouは、「AIに聞く」から「AIに操作してもらう」へ一段進んだブラウザである。Deep Searchで複数サイトを横断し、Workflowで手順を再利用し、スケジュール実行で定期業務まで引き受ける構成は、調査や情報収集を仕事の中心に据えている人ほど効果が大きい。一方で、クレジット制の利用上限、macOS限定の配布、ログイン状態を扱うことによる運用上の注意点は事前に理解しておきたい。まずは無料プランで、自分の定番作業をひとつ任せてみるところから試すのがよい。