Comet Browserは、AI検索エンジンで知られるPerplexityが開発したAI搭載のWebブラウザである。2025年7月9日に招待制で公開され、その後2025年10月に全ユーザーへ無料開放された。最大の特徴は、AIアシスタントがブラウザの外側ではなく内側に組み込まれている点にある。いま見ているページ、開いている複数のタブ、過去の閲覧履歴をまたいで文脈を把握したうえで、要約・比較・調べ物を自然言語で頼める。さらにフォーム入力やメールの下書き、コメント投稿の支援といった「操作の代行」まで踏み込むため、検索結果のリンクを提示して終わりだった従来のブラウザとは役割が異なる。
主な特徴
- ページとタブの文脈を理解するアシスタント: サイドバーのアシスタントが、表示中のページや開いている複数のタブの内容を前提に応答する。記事を要約させる、複数の製品ページを横断して条件を比較させる、といった指示をURLを貼り直さずに出せる
- 自然言語での操作代行(エージェント機能): 「このフォームを入力して」「この内容でメールの下書きを作って」のように、閲覧だけでなく画面上の操作を伴う作業を依頼できる。人が数クリックかけて進める定型作業をまとめて任せられる
- Perplexityの検索がブラウザに統合: アドレスバーからそのままPerplexityの検索を実行でき、出典リンク付きの回答が返る。調べる → 開く → まとめる、の往復が1つの画面で完結する
- タブや履歴をまたいだ横断参照: 「さっき見ていたあのページ」といった曖昧な指示でも、履歴や開いているタブを手がかりに対象を特定して扱える。リサーチのように参照先が散らばる作業と相性が良い
- バックグラウンドアシスタント: 依頼したタスクをバックグラウンドで進行させ、複数の作業を並行して走らせられる機能が提供されている。手を止めずに次の作業へ移りたい場面で効く
- Chromiumベースの使用感: 一般的なChromium系ブラウザと同様の操作体系のため、拡張機能やブックマークを含め既存の使い方から大きく離れずに移行できる
料金
| プラン | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| Comet(無料) | $0 | ブラウザ本体と基本的なアシスタント機能を無料で利用可能。高度な検索は1日あたりの回数制限あり |
| Comet Plus | 月額$5 | 提携メディアのプレミアム記事へのアクセスを追加。Pro / Maxプランには同梱 |
| Perplexity Pro | 月額$20(年払いは割安) | 高度な検索・モデル選択などPerplexity側の上位機能が解放される |
| Perplexity Max | 月額$200 | 利用枠の大幅な拡大と、新機能への優先アクセス |
| Enterprise | 要問い合わせ | 組織向けの管理機能・シート単位の契約 |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ブラウザ本体が無料で、AIブラウザという新しい使い方を費用をかけずに試せる
- 表示中のページやタブを前提に指示できるため、コピペやURLの貼り直しが要らない
- 検索・要約・比較・下書き作成が1つのウィンドウで完結し、リサーチ作業の往復が減る
- Chromiumベースで操作感が既存ブラウザに近く、乗り換えの学習コストが小さい
- 出典リンク付きで回答が返るため、根拠をたどって自分で確認できる
⚠️ デメリット
- AIが閲覧内容や操作の文脈を扱う構造上、業務データや機密性の高いページを開く際はプライバシー面の判断が必要になる
- エージェントによる操作代行は万能ではなく、複雑なフォームや独自UIのサイトでは意図どおりに動かないことがある
- 無料プランでは高度な検索の利用回数に上限があり、本格的に使うとPro以上が前提になりやすい
- ブラウザを丸ごと乗り換える前提のため、既存ブラウザの設定・プロファイル移行の手間がかかる
- AIの応答は誤りを含みうるため、要約や比較の結果をそのまま鵜呑みにはできない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Comet Browser | Arc / Dia(The Browser Company) | Microsoft Edge(Copilot) | Google Chrome(Gemini) |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Perplexity | The Browser Company | Microsoft | |
| ベース | Chromium | Chromium | Chromium | Chromium |
| AIの位置づけ | 検索・要約・操作代行を担う中核機能 | 対話とページ理解を中心に統合 | サイドバーのCopilotとして統合 | Geminiによる補助機能として統合 |
| 操作の代行 | 対応(フォーム入力・下書き作成など) | 限定的 | 限定的 | 限定的 |
| 検索エンジン連携 | Perplexity検索を標準搭載 | 既存検索エンジン中心 | Bing中心 | Google検索中心 |
| 費用 | ブラウザは無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
こんな人におすすめ
- 調べ物のたびに複数タブを開き、内容を突き合わせて整理する作業が多い人
- 記事や資料の要約、製品比較といったリサーチをAIに任せて時間を短縮したい人
- Perplexityの検索をすでに使っていて、ブラウジング全体に広げたい人
- フォーム入力やメール下書きなど、定型的なWeb操作の手数を減らしたい人
- AIブラウザという新しいカテゴリを、無料の範囲でまず体験してみたい人
まとめ
Comet Browserは、「検索してリンクを開く」道具だったブラウザを、「文脈を理解して作業まで進める」相棒に置き換えようとするPerplexityの回答である。タブや履歴をまたいだ理解と、フォーム入力・下書き作成といった操作代行が組み合わさることで、リサーチ中心の作業では手数がはっきり減る。一方で、閲覧内容をAIが扱う構造ゆえのプライバシー判断や、エージェント操作の当たり外れは残る。ブラウザ本体は無料で試せるため、まずは調べ物用のサブブラウザとして導入し、手応えを確かめてからメイン移行を検討するのが現実的だろう。