フランスの RocketSocial SASU が提供する AI アプリビルダー。「こんなアプリが欲しい」と自然言語で伝えるだけで、フロントエンド・バックエンド・データベースまで含んだフルスタックのアプリを生成する。特徴的なのは、いきなりコードを書き始めるのではなく、AI 側から「誰が使うのか」「何を実現したいのか」「どんな見た目にしたいのか」を質問して要件を固めてから構築に入る点。生成したアプリはワンクリックでインターネット上に公開でき、独自ドメインの接続にも対応する。Web アプリだけでなくネイティブモバイルアプリの生成にも対応し、Mac 用のデスクトップアプリも無料で配布されている。
主な特徴
- 作る前に質問する「聞いてから作る」方式: プロンプトの書き方が上手くなくても使えるよう、AI が用途・想定ユーザー・デザインの方向性を確認しながら仕様を組み立てる。曖昧な一文から作り始めて的外れなものが出てくる、という典型的な失敗を避けやすい
- Vibe と Spec の使い分け: 思いついたものをとにかく形にする「Vibe」的な進め方と、計画アシスタントが仕様を明文化してから作る「Spec Coding」を状況に応じて切り替えられる。試作段階では前者、作り込む段階では後者、といった使い分けができる
- 本番運用に必要な機能が最初から入る: ログイン・会員アカウント・データ保存・決済といった「実際のプロダクトが持っているもの」を実装できる。Supabase(データベース)、Stripe(決済)、Google 認証などの外部サービス連携に対応する
- Web・モバイル・デスクトップに展開: Web アプリに加え、Expo を利用した iOS / Android 向けネイティブモバイルアプリの生成に対応。開発環境としての Mac デスクトップアプリも提供されている
- ワンクリックデプロイと独自ドメイン: 作ったアプリはそのまま公開まで進められ、数分で自分のドメインに接続できる。環境変数の管理にも対応するため、API キーなどを直接コードに書かずに済む
- コードベースのエクスポート: 上位プランでは生成されたコードベース一式を書き出せる。Next.js・TypeScript・Tailwind CSS といった一般的な構成で出力されるため、途中から通常の開発に移行する道が残されている
料金
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Starter | $25 | 100 クレジット、プロジェクト数無制限、エージェントモード、メールサポート |
| Growth | $69 | 250 クレジット、コードベースのエクスポート、独自ドメイン、専用サポートチャネル |
| Professional | $129 | 500 クレジット、Growth の全機能、優先サポート、新機能への先行アクセス |
| Business | $299 | 1,000 クレジット、Professional の全機能、専任担当者、カスタム連携 |
クレジットの追加購入も可能で、10 クレジット $9 / 50 クレジット $39 / 100 クレジット $69 の 3 種類が用意されている。クレジットは AI エージェントへのメッセージごとに消費され、消費量はタスクの複雑さによって変動する(単純な修正は少なく、機能追加やデバッグは多く消費する)。購入したクレジットに有効期限はない。
なお、公式の料金ページに無料プランの記載はない。Mac デスクトップアプリ自体はクレジットカード不要で無料配布されている。
料金は2026年8月時点の情報です。年額プランの有無を含め、最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- AI 側から質問してくれるため、プロンプトを上手く書けない初心者でも要件を詰めやすい
- ログイン・決済・データベースまで含めた「動く製品」を一気通貫で作れる
- ワンクリック公開と独自ドメイン接続まで面倒を見てくれるので、公開の手前で詰まりにくい
- Web だけでなくモバイルアプリまで同じ流れで作れる
- コードベースを書き出せるため、後から通常の開発に引き継げる
⚠️ デメリット
- 無料プランがなく、試すには最低でも月額 $25 のプランが必要
- クレジット制のため、作り込むほど費用が読みにくい。複雑な機能追加やデバッグはクレジットを多く消費する
- コードベースのエクスポートと独自ドメインは Growth($69/月)以上の機能で、最安プランでは使えない
- 日本語ドキュメントは用意されておらず、公式情報は英語が中心
- 生成されたコードの品質確認やセキュリティ面の点検は、結局のところ利用者側の責任になる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Capacity | Lovable | Bolt.new | Replit |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | フルスタックWeb/モバイルアプリ生成 | Webアプリ生成 | Webアプリのブラウザ内開発 | ブラウザ完結の開発環境 |
| 進め方の特徴 | AIが質問して仕様を固める | プロンプト起点の反復生成 | プロンプト起点の反復生成 | エージェント + 通常のIDE |
| モバイルアプリ | 対応(Expo) | 限定的 | 限定的 | 対応(Expo) |
| 無料プラン | なし | あり | あり | あり |
| コード書き出し | 対応(Growth以上) | 対応 | 対応 | 対応 |
各サービスの料金体系・無料枠は変動しやすいため、比較検討時はそれぞれの公式サイトで最新情報を確認したい。
こんな人におすすめ
- アイデアはあるがコードは書けず、まず動くものを世に出してみたい非エンジニアの起業家
- 新規事業の検証用に、ログインと決済まで含んだ MVP を短期間で用意したい人
- プロンプトの書き方に自信がなく、AI 側から聞いてくれる方が助かる人
- Web とモバイルの両方を同じ環境で試作したいチーム
- 将来的に通常の開発へ移行する前提で、たたき台をAIに作らせたい開発者
まとめ
Capacity は、AI アプリビルダーの中でも「作り始める前の合意形成」に重心を置いたサービスである。プロンプト一発で何かを吐き出すのではなく、質問を通じて仕様を固めてから構築に入る設計は、プロンプトの書き方に慣れていない人ほど恩恵が大きい。ログイン・決済・独自ドメインまで揃うため、思いつきを検証可能な形にするまでの距離が短い。一方で無料プランがなくクレジット制のため、まずは Starter プランで小さく試し、作り込む見込みが立ってから上位プランを検討するのが現実的だろう。