AI Deck

BAI ─ 複数LLMを単一APIで束ね、エージェント間決済まで踏み込むゲートウェイ

BANK OF AI が提供する LLM ゲートウェイ。GPT・Claude・Gemini・DeepSeek・Kimi など 20 以上のモデルを単一の API キーから呼び出せる点が中核機能である。クレジット制のトークン従量課金に加え、TRON ネイティブの暗号資産決済に対応し、エージェントごとに独立したウォレットを持たせて自律的に代金をやり取りする「Agent-to-Agent 決済」の基盤も備える。OpenClaw をベースにしたデスクトップアプリ「BAIclaw」では、設定なしで複数エージェントを並行運用でき、Telegram・Discord・WhatsApp との連携や定期実行タスクにも対応する。Mac / Android で利用できる。

主な特徴

  • 統一 LLM API: GPT-5.x、Claude Opus・Sonnet・Haiku 4.x、Gemini、DeepSeek、MiniMax、Kimi といった主要モデルを、モデルごとに契約し直すことなく単一の API キーで切り替えて呼び出せる
  • クレジット課金と暗号資産決済: 1 USD = 1,000,000 Credits の共通クレジット制。TRON 上での暗号資産決済にも対応する
  • エージェント経済基盤: x402 決済プロトコルと 8004 エージェント ID、エージェントごとのウォレットにより、AI エージェント同士が自律的に代金をやり取りする Agent-to-Agent 決済を実現する
  • BAIclaw(デスクトップアプリ): OpenClaw / ClawX をベースにした GUI。複数エージェントの並行運用、PDF・Excel・Word・PPT の処理、Telegram・Discord・WhatsApp 連携、定期実行タスクに対応する
  • BAI Code: AI 支援によるコーディング機能も提供する
  • OSS のエコシステム: GitHub の BofAI 組織で x402・8004・mcp-server-tron といった関連 OSS を MIT / Apache-2.0 ライセンスで公開している

料金

公式の料金ページはクレジット制の従量課金を軸に、Plan Pro・Plan Max という上位プランを併設する構成だが、本記事で参照した情報は原文の直接確認まで至っていないため確信度は控えめに扱う。恒久的な無料プランはなく、新規登録時に 30 日間有効なボーナスクレジットが付与される。

項目内容
基本課金クレジット従量課金(1 USD = 1,000,000 Credits)。モデルごとにトークン単価が異なる
上位プランPlan Pro・Plan Max(招待コード必須、12 時間あたりのメッセージ数上限あり)
決済手段クレジットカード等に加え、TRON ネイティブの暗号資産決済に対応
無料枠新規登録時のボーナスクレジットのみ。30 日で失効し、恒久無料プランはない
具体的な金額公式ドキュメントで要確認

料金は2026年9月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 多数の主要 LLM を単一の API キーで切り替えて使えるため、モデルごとの契約・実装の手間が減る
  • x402・8004・エージェントウォレットといった、エージェント向けの決済・ID 基盤を標準で備える
  • OpenClaw ベースの BAIclaw により、非エンジニアでも複数エージェントの並行運用を試しやすい
  • キャッシュ読み取りで大幅な割引が受けられるなど、コスト最適化の仕組みがある
  • x402 や 8004 関連の OSS を公開しており、エージェント経済の技術に関心のある開発者が実装を確認できる

⚠️ デメリット

  • TRON エコシステム・暗号資産決済を前提とした設計であり、Web3 に不慣れなユーザーには参入障壁がある
  • 恒久的な無料プランがなく、新規登録時のボーナスクレジットも30日で失効する
  • 運営法人の所在地・法的実体が公式サイト上で明示されておらず、企業導入時の与信確認がしづらい
  • Android アプリは APK の直配布で、Google Play での配布は確認できていない
  • 公開時期を示す確定情報が乏しく、サービスとしての実績・継続性を外部から検証しにくい

類似サービスとの比較

比較項目BAIOpenRouterLiteLLMCoinbase AgentKit
提供元BANK OF AIOpenRouterBerriAICoinbase
主な用途複数 LLM の統一 API + エージェント経済基盤複数 LLM の統一 APILLM プロキシ・ルーティング(OSS)エージェントのオンチェーン決済・ウォレット
提供形態ホスト型サービスホスト型サービスセルフホスト前提の OSSホスト型サービス
決済手段クレジット課金+暗号資産決済クレジットカード等課金機能なし(自前実装)暗号資産決済に特化
特徴Agent-to-Agent 決済・エージェントウォレットまで一体提供マルチモデルゲートウェイに特化セルフホストで柔軟にルーティング設計可能LLM API 自体は提供しない

こんな人におすすめ

  • 複数の LLM を切り替えながら開発・検証したい開発者で、API ゲートウェイを一本化したい人
  • Telegram・Discord・WhatsApp と連携した自動応答や定期実行エージェントを構築したい人
  • AI エージェント同士が自律的に代金を決済するプロトタイプを実験したい人
  • 暗号資産決済やオンチェーンのエージェント経済に抵抗がなく、新しい技術基盤を試したい人

まとめ

BAI は、複数 LLM への統一アクセスという実用面と、x402・8004・エージェントウォレットによるエージェント経済基盤という実験的な面を併せ持つプロダクトである。OpenRouter のような単純なゲートウェイと比べると、暗号資産決済や Agent-to-Agent 決済まで踏み込んでいる分だけ独自性が高い一方、TRON エコシステムを前提とした設計は万人向けとは言いがたい。運営法人の所在地など確認できない情報も残るため、料金や規約を含めて公式ドキュメントで最新状況を確認したうえで、まずは小さな用途から試すのが無難である。

関連リンク

← ブログ