Sourcegraph 発のコーディングエージェント。ターミナル(CLI)と VS Code 系エディタの両方から使え、指示を出すと自律的にコードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行してタスクを完了まで進める。特徴は「最新モデルを最大限に使う」という設計方針で、後方互換や旧機能の維持よりも、そのときいちばん賢いモデルと構成を採ることを優先する。2025 年 5 月の公開後、2026 年 5 月に大規模なアーキテクチャ刷新を経て、スレッドごとにクラウド上の実行環境(Orbs)を立ち上げられる現在の形になった。作業スレッドは URL で共有でき、エージェントが何をどう考えて直したのかをチームに見せられる。
主な特徴
- CLI とエディタの両対応: ターミナルから起動する CLI に加え、VS Code とその派生エディタ(Cursor、Windsurf など)の拡張として利用できる。キーバインド、非対話の実行モード、ストリーミング JSON 出力など、スクリプトやパイプラインに組み込む前提の作りになっている
- Orbs(クラウド実行環境): スレッドごとにクラウド上のマシンを立ち上げ、コード・ツール・プラグインを用意した状態でエージェントを走らせられる。ローカルを占有せずに長時間のタスクを回したり、複数の作業を並行させたりできる
- マルチモデル構成: 単一モデルに固定せず、GPT-5.6 や Claude Fable 5 など複数のフロンティアモデルと軽量モデルを使い分ける。プランに応じて使えるモード(推論の強度)が変わる
- スレッド共有: エージェントとのやり取りを保存し、リンクで共有できる。レビューや引き継ぎ、社内での使い方の共有に使える
- MCP による拡張: Model Context Protocol に対応し、外部サービスや社内ツールをエージェントの道具として接続できる
- 無料で試せる Amp Free: 課金前に試せる無料の入口が用意されている。以前は広告つきの提供だったが、現在は広告なしに変わっている(受け入れ枠には限りがあるため、公式ページで最新の状況を確認するとよい)
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Amp Free | $0 | 無料で試せる入口。提供条件は変動するため公式ページを要確認 |
| Megawatt | 月額 $20 | エージェント利用分 $20 相当を含む。Orbs 750 時間、low / medium モード(ChatGPT サブスクリプション連携で high モードも) |
| Gigawatt | 月額 $200 | エージェント利用分 $200 相当を含む。xxlarge Orbs 1,000 時間、high / ultra を含む全モード |
| Unconstrained | 従量課金 | 使った分だけの支払い。モデルと Orbs のトークン単価制。自前の推論 API キー持ち込みも可 |
| Enterprise | 要問い合わせ | SSO、ディレクトリ同期、管理者コントロール、データ保持の最小化、専任サポート |
| 学生・教員向け | 月額 $10 | 在籍・在職の証明が必要 |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ターミナルとエディタの両方から同じエージェントを使えるため、作業スタイルを変えずに導入できる
- Orbs によってローカル環境を占有せずに長時間タスクを回せる。並行作業もしやすい
- スレッド共有により、エージェントの作業過程がチームの資産として残る
- 常に最新モデルを取り込む方針のため、モデル世代の進歩がそのまま使い勝手に反映される
- 従量課金プランがあり、月額の固定費をかけずに使い始められる
⚠️ デメリット
- 後方互換を積極的に切る方針のため、機能や仕様が短期間で変わる。運用手順を固めて使う用途とは相性がよくない
- モードやプランによって使えるモデルが変わり、料金体系(含まれる利用枠・Orbs 時間・トークン単価)の見通しがやや複雑
- 無料枠は提供条件が変動しており、常に同じ条件で使える前提では計画しにくい
- 日本語のドキュメント・解説は英語圏に比べて少なく、公式ドキュメントを読む前提になる
- エージェントに実行を任せる以上、変更内容のレビューとテストは従来どおり必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Amp | Claude Code | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Sourcegraph 系 | Anthropic | Anysphere | GitHub(Microsoft) |
| 使う場所 | CLI + VS Code 系拡張 | 主に CLI | 専用エディタ | エディタ拡張(VS Code ほか) |
| モデル | 複数のフロンティアモデルを使い分け | Claude 系 | 複数モデルから選択 | 複数モデルから選択 |
| クラウド実行 | Orbs(スレッド単位のクラウド環境) | クラウド実行に対応 | クラウドエージェントに対応 | クラウド上のコーディングエージェントに対応 |
| 共有 | スレッドを URL 共有 | 限定的 | 限定的 | Pull Request 経由 |
| 料金の入口 | 無料枠 + 月額 $20〜 + 従量課金 | 月額 $20〜 | 無料枠 + 月額 $20〜 | 無料枠 + 月額 $10〜 |
こんな人におすすめ
- ターミナル中心で作業しつつ、エディタ上でもエージェントを使いたい開発者
- ローカルマシンを塞がずに、長時間かかるリファクタリングや調査をエージェントに任せたい人
- エージェントの作業過程をチームで共有し、レビュー・教育に使いたい開発チーム
- 固定の月額ではなく、使った分だけの従量課金で AI コーディングを始めたい人
- 仕様変更の速さを許容してでも、常に最新モデルの性能を使いたい人
まとめ
Amp は、CLI とエディタの両方から使える自律型コーディングエージェントに、スレッド単位のクラウド実行環境と共有機能を組み合わせたツールである。最新モデルを優先し旧仕様を積極的に切り捨てる方針は、実験的な使い方や個人・小規模チームの開発と相性がよい一方、手順を固定して長く回したい現場では変化の速さが負担になりうる。まずは無料の入口や従量課金で小さく試し、使い方が定まってから月額プランを検討するのが現実的である。