AgentX Inc(米国)が提供する、AIエージェントの構築・評価・配備をまとめて行えるプラットフォーム。コードを書かずに、役割・指示・使用モデル・記憶・ツールを設定した複数のエージェントを組み合わせ、ひとつのワークフローとして動かせる。作ったエージェントはWebサイトのチャットウィジェット、Slack、Discord、WhatsApp、APIなどに配備でき、社内業務の自動化から顧客向けチャットボットまで同じ基盤でまかなえる。近年は本番運用を意識した機能 ─ 事前評価(LLM-as-judge)、実行トレースの可視化、バージョン管理とロールバック ─ の整備が進んでいる。
主な特徴
- ノーコードのマルチエージェント構成: 1体のボットではなく、役割を分けた複数エージェントを協調させて複雑な業務を処理できる。各エージェントに指示・使用するLLM・記憶・利用可能なツールを個別に割り当てる
- マルチチャネル配備: 同じエージェントをWebサイトのチャットボットやインラインウィジェット、Slack、Discord、WhatsApp、API経由で公開できる。Instagram・SMS・メールなど追加チャネルも順次拡張されている
- RAGによるナレッジ構築: Webサイト、PDF・Word・テキスト・画像などのファイル、手入力のテキストからベクトルデータベースを作り、自社の資料に基づいて回答させられる。スキャンPDFのOCR読み取りにも対応
- 業務アクションの組み込み: リード情報の収集(メールと名前が既定項目)を標準機能として持ち、HubSpotやWix CRM、任意のWebhookへ連携できる。Googleカレンダー連携によるスケジュール管理も用意されている
- MCPハブによるツール接続: Model Context Protocol(MCP)サーバーを一覧から選んで接続でき、検索・地図・ファイル操作・データベース照会といった外部機能をエージェントに持たせられる。独自のMCPサーバーを追加することも可能
- 評価・観測・バージョン管理: 本番投入前にエージェントの応答を評価する仕組みと、実行過程を追跡するトレース機能を備える。バージョンごとの履歴を残し、問題があれば以前の状態に戻せる
- ホワイトラベルとクライアント用ワークスペース: 上位プランでは自社ブランドでの提供や、顧客ごとにワークスペースを分けた運用ができる。制作会社や代理店がクライアント向けにエージェントを納品する用途を想定している
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | $0 | ワークスペース1つ、エージェント5体まで、200クレジット(初回のみ)、1シート、マルチエージェント、APIアクセス |
| Solo Builder | 月額$49(年払い$490) | ワークスペース無制限、エージェント25体まで、月5,000クレジット、1シート、本番デプロイ、評価モード |
| Professional | 月額$199(年払い$1,490) | エージェント25体まで、月10,000クレジット、2シート、ホワイトラベル、クライアント用ワークスペース |
| Business | 月額$299(年払い$2,990) | エージェント無制限、月20,000クレジット、2シート、優先サポート、優先SLA |
| Enterprise | 要問い合わせ | ワークスペース・エージェント・シート無制限、SSO、専用インフラ、オンプレミス配備、エンタープライズSLA |
追加クレジットは1,000クレジットあたり$10、追加シートは1人あたり月額$10。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式の料金ページをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- コードを書かずにマルチエージェント構成を組めるため、エージェント開発の入口として学習コストが低い
- Web・Slack・Discord・WhatsApp・APIと配備先が広く、社内用と顧客向けを同じ基盤で作り分けられる
- 自社資料を読み込ませるRAGが標準装備で、問い合わせ対応ボットを短時間で立ち上げられる
- リード収集やCRM連携など、営業・サポート業務に直結するアクションが最初から用意されている
- MCP対応により、後から外部ツールを足していく拡張の余地がある
- 無料プランでエージェント5体まで試せるので、導入判断の前に実物を触れる
⚠️ デメリット
- クレジット制のため、利用が増えると費用が読みにくい。追加クレジットの購入前提になりやすい
- 有料プランの最低ラインが月額$49と、個人利用としては安くはない
- ホワイトラベルやクライアント用ワークスペースは月額$199のProfessional以上でしか使えない
- 一部の連携チャネルや業務アクションは提供予定の段階にあり、必要な機能が揃っているかは事前確認が要る
- ノーコード基盤である以上、細かな制御はコード中心のフレームワークに比べて自由度が下がる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | AgentX | Dify | Botpress | CrewAI |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | マルチエージェント構築と顧客向け配備 | LLMアプリ・エージェントの開発基盤 | 会話ボットの構築と業務自動化 | コード中心のマルチエージェント開発 |
| 作り方 | ノーコード中心 | ノーコードとコードの併用 | ビジュアルフロー+コード拡張 | Pythonでの実装 |
| 主な配備先 | Web・Slack・Discord・WhatsApp・API | Web埋め込み・API | Web・各種メッセージング | 自前アプリへの組み込み |
| ホワイトラベル | 上位プランで対応 | 一部対応 | 対応 | 該当なし |
| セルフホスト | Enterpriseでオンプレミス可 | オープンソース版で可 | クラウド中心 | オープンソースのため可 |
こんな人におすすめ
- 社内の問い合わせ対応やバックオフィス業務を、まずノーコードで自動化してみたい担当者
- 自社サイトやSlackに置くAIチャットボットを、開発リソースをかけずに立ち上げたいチーム
- クライアント向けにAIエージェントを構築・納品したい制作会社や代理店
- 単発のチャットボットではなく、役割を分けた複数エージェントの協調を試したい人
- 既存のCRMやMCP対応ツールとつないで、業務データに触れるエージェントを作りたい人
まとめ
AgentXは、ノーコードでマルチエージェントを組み立て、Web・Slack・Discord・WhatsAppといった実際の利用面まで一気に配備できる点が持ち味のプラットフォームである。RAGによる自社ナレッジの取り込み、リード収集などの業務アクション、MCPによる外部ツール接続まで一通り揃っており、エージェント運用の入口としては扱いやすい。一方で料金はクレジット制で、ホワイトラベルなど代理店向けの機能は上位プランに寄っている。まず無料プランでエージェントを1つ作り、想定する利用量とチャネルが自社の要件に合うかを確かめてから有料プランを検討するとよい。