TypeX Limited(シンガポール)が開発する、スマートフォンのキーボードそのものをAIエージェントにするツール。「世界初のエージェンティックキーボード」を掲げ、2026年6月30日に正式ローンチした。従来のキーボードが「打った文字を単語に変換する」だけなのに対し、Actiはあらゆるアプリの入力欄で「意図をアクションに変換する」。アクションを割り当てたキー(Acti Bar / Skill Key)を長押しすると、あらかじめ仕込んだタスクをAIエージェントがその場で実行する。会議リンクの生成、メールの下書き、翻訳などをアプリを切り替えずに済ませられるのが特徴で、iOS/Androidの両方に対応する。
主な特徴
- Acti Bar ─ 長押しでエージェント起動: スペースバーの位置にあるActi Barを長押しすると、入力中のテキストからAIが意図を解釈し、リンク・返信文・会議設定などのアクションを提案する。「Type → Hold → Preview → Apply」の流れで、実行前に必ずプレビューを確認でき、承認なしに何かが送信されることはない
- Skill Key ─ ワンキーで定型タスク実行: 「Google Meetのリンクを作る」「返信文を下書きする」「テキストを翻訳する」といった定型アクションを専用キーに割り当て、キーボード上から即座に呼び出せる
- Skill Builder ─ 自然言語でスキル自作: コード不要で、自然言語の記述だけで多段階のタスク(Skill)を作成できる。作ったSkillはSkill Hub(コミュニティマーケットプレイス)で公開・共有も可能
- 豊富な外部連携: Gmail・Slack・Notion・Googleカレンダー・Google Meet・CalendlyなどとOAuthで接続でき、さらに検索・金融・地図・天気・翻訳など150以上のAPIと連携してタスクを組める
- プライバシーに配慮した設計: キーボードアプリでありながら、入力テキストは明示的にエージェントを利用した時を除きサーバーに送信されない設計を掲げている
- iOS/Android両対応: App Store・Google Playの両方で配信されており、普段使いのキーボードとして置き換えられる
料金
| プラン | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 無料 | $0 | キーボード・音声入力・Acti Bar・アプリ連携・Skill Builder・Skill Hubを含む全機能。乱用防止のためのクレジット制あり |
現時点で有料プランは提供されていない。将来的には、より高性能なAIモデルや利用上限の引き上げを含むプレミアムサブスクリプションの導入が予告されているが、価格は未発表。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- アプリを切り替えずに、どの入力欄からでもAIエージェントを呼び出せる
- 実行前に必ずプレビューを挟む設計で、意図しない送信が起きにくい
- 自然言語だけでSkillを自作でき、コーディング知識が不要
- Gmail・Notion・カレンダーなど主要アプリとの連携が最初から揃っている
- 現時点では全機能を無料で使える
⚠️ デメリット
- 2026年6月ローンチの新しいサービスで、機能や仕様が今後大きく変わる可能性がある
- キーボードの置き換えが前提のため、慣れた入力環境(変換精度・レイアウト)からの移行コストがある
- 日本語入力への最適化の度合いは公式情報が乏しく、実際に試して確認する必要がある
- 将来の有料化(プレミアムプラン導入)が予告されており、無料範囲が変わる可能性がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Acti | Gboard | Microsoft SwiftKey | Wispr Flow |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | TypeX Limited | Microsoft | Wispr | |
| 主な用途 | キーボードからのエージェント実行 | 標準的な入力 + AI校正 | 入力 + Copilot連携 | 音声入力特化 |
| タスク実行(外部アプリ連携) | 対応(Gmail/Notion等 + 150+ API) | 非対応 | 限定的 | 非対応 |
| スキルの自作・共有 | 対応(Skill Builder / Skill Hub) | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
| 対応OS | iOS / Android | iOS / Android | iOS / Android | iOS / Android / macOS等 |
Gboard・SwiftKeyは「入力補助にAIを足した」キーボードであるのに対し、Actiは「入力欄からタスクを実行する」ことを主目的にしている点が根本的に異なる。
こんな人におすすめ
- メール返信・会議リンク作成・翻訳などをスマホでアプリを行き来しながらこなしている人
- 自分の定型業務を自然言語でスキル化し、キーボードから一発で呼び出したい人
- Gmail・Notion・カレンダーを日常的に使い、スマホでの操作を短縮したい人
- 新しいモバイルAIツールをいち早く試したいアーリーアダプター
まとめ
Actiは、AIエージェントを「専用アプリ」ではなく「キーボード」という常時使う場所に埋め込んだ、発想の新しいツールである。長押しひとつで多段階のタスクを実行でき、Skillの自作・共有まで揃っている一方、ローンチ間もないサービスだけに仕様変更や有料化の可能性は織り込んでおきたい。現時点では全機能が無料なので、まずは普段のメール返信や予定調整で「アプリを開かずに済む」体験を試してみるのがよい。