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ACE Studio ─ 歌詞とメロディからAIボーカルを生成する、DAW連携対応の音楽制作プラットフォーム

中国のTIMEDOMAIN(北京时域科技)が開発するAI音楽制作プラットフォーム。MIDIで打ち込んだメロディと歌詞を入力すると、人間らしい抑揚とブレスを備えた歌声を生成できる。2023年10月の公開以降、AI楽器演奏の生成、声のクローン、ステム分離、音声からMIDIへの変換といった機能を取り込み、現在はバージョン2系で「歌声合成ツール」から「AI音楽ワークスペース」へと守備範囲を広げている。ブラウザ版とMac/Windows向けデスクトップアプリの両方が用意され、ACE Bridgeプラグイン経由で普段使いのDAWからも呼び出せる。

主な特徴

  • Vocal Synth(歌声合成): MIDIのノートと歌詞を入力するだけで歌声を生成する中核機能。140種類以上のロイヤリティフリーAIボイスを収録し、8言語に対応する(公式の料金ページでは160以上と表記されている)。ビブラート・音程・テンション(力み)といったパラメータをノート単位で調整でき、仮歌やデモ制作を自分の声を使わずに完結できる
  • Voice Cloning(声のクローン): 自分や許諾を得た歌い手の音声サンプルから、専用のAI歌声モデルを学習させられる。歌声合成用とボイスチェンジャー用でクローン枠が分かれており、プランごとに作成できるモデル数が決まっている
  • AI Instruments(AI楽器): MIDIから自然な演奏ニュアンスを持つ楽器トラックを生成する。40種類以上のロイヤリティフリー音源を備え、ブダペスト・アート・オーケストラの収録によるストリングスなど、生演奏由来の音色も含まれる
  • Stem Splitter / Audio to MIDI: 既存の楽曲をボーカル・ドラム・ベースなどのステムに分離したり、歌った音声からノートと歌詞のMIDIデータを起こしたりできる。鼻歌をそのまま打ち込みの下地にする使い方ができる
  • Video Composer / Music Video: 映像を解析して同期する音楽や効果音を生成するAIエージェント機能。映像作品にBGMを付ける工程を1つのツール内で完結させられる
  • ACE BridgeによるDAW連携: VST3 / AU / AAX 形式のプラグインとして動作し、ARAリンクモードでDAWのテンポと同期する。既存の制作フローを壊さずにAIボーカルを組み込める

料金

プラン料金(年払い・月あたり換算)主な内容
Artist$20.73(キャンペーン適用時 $16.58)AIボイス160以上、AI楽器40以上、声のクローン 歌声合成1枠・ボイスチェンジャー1枠、月2,500クレジット、Music Video / Video Composer / Stem Splitter 利用可
Artist Pro$27.50(キャンペーン適用時 $22.00)上記に加え、声のクローン 歌声合成5枠・ボイスチェンジャー10枠、月5,000クレジット

いずれも年払いの「Rent-to-Own」方式で、2年間の支払いを終えると追加費用なしで買い切りライセンスに切り替わる。支払いから7日以内であれば全額返金に対応する。無料プランについては公式の料金ページに明示がないため、試用の可否は公式サイトで確認してほしい。

料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 歌える人が身近にいなくても、歌詞とメロディだけでボーカル入りのデモを完成させられる
  • 収録されているボイスと楽器がロイヤリティフリーで、商用利用のハードルが低い
  • ノート単位でビブラートやテンションを調整でき、生成しっぱなしではない作り込みができる
  • ボーカル生成・楽器生成・ステム分離・MIDI変換が1つのツールに揃っており、作業を行き来しなくて済む
  • ACE Bridgeで既存のDAWに組み込めるため、制作フローを大きく変えずに導入できる
  • サブスクリプションが2年で買い切りに転じるため、長く使うほど負担が下がる

⚠️ デメリット

  • 常時使える無料プランが公式に案内されておらず、まず有料前提で検討することになる
  • 月あたりのクレジット上限があり、大量生成では上位プランが必要になる
  • 声のクローン枠がプランごとに固定で、多数のキャラクターボイスを扱う用途では制約になる
  • MIDIと歌詞の入力が前提のため、テキストだけで曲が完成するタイプのツールに比べると打ち込みの知識が要る
  • 日本語の情報は英語圏に比べて少なく、細かい調整方法は公式ドキュメントやコミュニティを英語で追う場面がある

類似サービスとの比較

比較項目ACE StudioSynthesizer V StudioCeVIO AISuno
提供元TIMEDOMAIN(中国)Dreamtonics(日本)テクノスピーチ / フロンティアワークス(日本)Suno(米国)
入力方法MIDI+歌詞MIDI+歌詞MIDI+歌詞テキストのプロンプト
生成範囲歌声・楽器・映像用BGM歌声歌声・トーク楽曲まるごと
声のクローン対応(プランごとに枠数)一部対応非対応(提供音源を使用)非対応
課金形態年額サブスク(2年で買い切りへ移行)買い切り+音源別売買い切り月額サブスク
収録ボイス数140以上・8言語音源を個別購入音源を個別購入

こんな人におすすめ

  • 作曲はできるが歌い手が確保できず、デモや仮歌で止まってしまう人
  • 自分の声をAIモデル化して、キーや音域に縛られずに歌わせたいシンガーソングライター
  • 動画やゲームのために、権利関係が明快なボーカル素材を自前で用意したい制作者
  • DAWでの打ち込みに慣れており、AIボーカルを既存の制作フローに組み込みたい人
  • 歌声だけでなく楽器トラックやステム分離まで1つのツールで済ませたい個人制作者

まとめ

ACE Studioは、MIDIと歌詞から歌声を作る合成エンジンを核に、AI楽器・声のクローン・ステム分離・映像連動のBGM生成までを1つの作業環境にまとめたプラットフォームである。テキストを投げれば曲が返ってくるタイプのツールとは方向性が異なり、打ち込みの手綱を自分で握ったまま「歌える人がいない」という制約だけを外せる点が持ち味になる。常時無料の枠が見当たらないため、まずは返金保証の期間内に自分の制作フローへ馴染むかを確かめるのが現実的だろう。

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